私は18年前、平成7年に、皆様の力強いご支援によって、北海道議会議員選挙に初当選させていただきました。

 このとき、18,222人の方が投票してくださいました。
 私は、できることなら、すべての家々にお伺いし、御礼を申し上げたいと思いましたが、もちろん、どなたが投票して下さったのか、お一人お一人の顔は、残念ながら見ることはできません。
 でも、応援して下さった方々には、日々の活動をできるだけお伝えしなければ――。そう思い、三つのことを誓ったのです。

 一つは、新聞を作ること。
 二つ目は、小単位の懇談会を多く開くこと。
 そして三つ目は、誰も聞いていなくてもいい、街頭に立って市民の方々に呼びかけていこう、というものでした。

 しかし、新聞や懇談会に比べ、街頭での演説は、なかなか手応えを感じることはできませんでした。呼びかけても呼びかけても、誰一人、足を止めてくれる人がいないのです。

 あまりにもそうしたことが続き、気持ちがくじけそうになることもありましたが、どこかで誰かがきっと耳を傾けてくれている―そう信じて、北区内を駆け回りました。

 そんなある日、道議1期目も終わりに近付いたころでした。
 いつものように麻生の地下鉄駅前で、やはり誰もが通り過ぎる中、活動のご報告をさせていただいていた折りのことでした。
 一人のご婦人が駆け寄ってきて、「あなたが佐藤英道さんですか」と聞いてくるのです。
 その方は、こうおっしゃいました。

 「4年前、私は道議会議員選挙で、知人に頼まれてあなたに投票しました。あなたに一票入れる義理など一つもありませんでしたが、あまりに熱心に頼まれたので、渋々投票に行きました。そしてそれ以来、あなたのことは気にもとめていませんでした。
 ところが、今日、初めてあなたがこうして話しているところを見ました。誰も聞いていないのに、あなたは本当に一生懸命でした。
 あなたの姿を見て、私は今、4年目にして初めて、あなたに投票してよかったとおもいました」と。

 これには、私の方が感動させられました。信念を貫いてきてよかったと、心から思いました。
 そしてあらためて、私を支えて下さった方々に、精一杯、応えていかなければ、と、決意させていただきました。

 道議となって17年あまりの間、ひた走りに走ってまいりました。そして今、機会をいただき、国政の場で新たな前進をはじめているところです。まだまだ、やらなければならないことが山積しています。

 しかし、どんなに経験を積み重ねても、私は、あの駆け寄って下さったご婦人の真心にお応えしていくことが、政治家としての原点だと思っています。
 これからもさらに、『理想郷・北海道』をつくるため、全力で走り抜いてまいります。

2013.01.02